めまいは軽減できる!?「慣れる」ことでめまいを抑える

めまい慣れる
めまいは慣れによって軽減することができます。

半規管や耳石によるめまいに限りますが、卜レーニングによって軽くすることができるのです。

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めまい改善術

めまいを慣らすパイロット

アメリカの空軍など、超高速でフライ卜するパイロットは、訓練のときに大きな回転室に入って、体を回転に慣れさせます。

具体的には、部屋に入り、その部屋が回っているとは伝えず、最初は感じない程度のスピードで部屋を回転させて、スピードをどんどん速めていきます。

すると、一定の回転数まで上がると、おう吐してしまいます。

この訓練を続けて、回転数を上げてもおう吐しなくなったら、いよいよ本物の戦闘機に乗れるようになります。バイロットの訓練はアメリカ空軍以外でも、ほとんど同じです。宇宙飛行士も同じような訓練を必ず受けています。

この訓練によって半規管と耳石がきたえられていきます。おう吐するということは、過剰な刺激を受けていると小脳が判断しているからですが、 何度も続けることで「これは単なる過剰な剌激だから反応しなくてもいい」と覚えて、おう吐を抑えるようになります。

正確にいうと、憒れるというよりは、小脳がそういった神経回路を作ってしまうわけです。これは、ピアニストやバイオリニストなどが、同じ曲を繰り返し練習することでうまくなっていくようなものです。

耳石がもとになるめまい

耳石についてのおもしろい話をひとつ紹介しましょう。

宇宙に滞在して無重力状態に憒れると、耳石が小さくなってしまって、平衡機能を維持することができなくなります。

耳石が小さくなってしまうと、重力がある地球上ではフラフラしてしまってまっすぐ歩けません。

耳石が元の状態に戻るまでには1週間から10日ほどかかるので、スッスッとまっすぐに歩けるようになるまでは、ある程度の時間と卜レーニングが必要です。

宇宙から帰還した宇宙飛行士が、その直後に記者会見などを行わないのは、こうした無重力の状態で崩れてしまった体のしくみが、元の状態になるまでの時間と卜レーニングが必要だからです。

宇宙の無重力状態に長期間滞在すると、骨や筋肉が衰えてしまうことは、これまでの研究でわかってきました。それを予防するために、食事を工夫したり筋力卜レーニングを行ったりしていますが、耳のなかにある耳石をきたえることは難しいのです。

とはいえ、耳石は再生するものですから、地球に戻れば元の状態に戻ります。

同じように、なんらかの要因で耳石が減ってしまったとしても、若い年代であればすぐ再生するので心配ありません。

ただし、40歳を過ぎると、細胞の新陳代謝は低下していく一方なので、 耳石の再生も若い頃のようにス厶ーズには行われません。ある程度の年齢を過ぎたら耳石に負担をかけないよう、ダメージを少なくするよう心がけることが大切です。

乗り物酔いをする人はめまいも起こしやすい

乗り物酔いめまい

乗り物酔いは、基本的に平衡機能の入力センサ一のバランスが崩れやすい人、つまりめまいを起こしやすい人ほどなりやすいのです。

車に乗っていると、大きな力—ブでは遠心力の関係で体が傾き、グ一ッと頭が揺り動かされます。

そのとき、横を向いたり、後ろを向いたりすると入力システムに異常が起こりやすく、乗り物酔いしやすくなります。

乗り物酔いを防ぐには、乗り物酔いを予防する薬を飲んでおいたほうがいいのですが、薬を忘れてしまった、 いつもは大丈夫だけれど気分悪くなりそうというときには、乗り物酔いにならないような動きをとるようにしましょう。

まず運転手が見える位置に座ります。大きなカーブがきたら、運転手と同じ方向に体を倒します。意識していないと、体は遠心力の影響で、曲がる方向と反対の方向に放り出されます。運転手は曲がる方向に体を傾けているはずです。それと同じ動きをしていれば、乗り物酔いになりにくくなります。

めまいだけではなく乗り物酔いも慣れることで軽減できるのです。

バス旅行などでは友人同士で横を向いたり、後ろを向いたり、おしゃべりしなが過ごしている人が多いですが、それでは乗り物酔いにがってしまうのもしようがありません。ちょっとした動作でつらい乗り物酔いから解放されるのですから、ぜひ試してください。

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