めまいを治す食生活の基本としてまず覚えてほしいことは、
「規則正しい食事」と「野菜と魚を中心とした献立」、「塩分量」です。
朝食をときどき抜くなど食生活のリズムが乱れると、自律神経のバランスに障害が起こります。1日3食を決まった時間にとるように、まずは心がけてください。
また、アルコールやカフェインの摂りすぎや、たばこはめまいを悪化させる場合があるので注意が必要です。
目次
めまいを治すには塩分を減らす
血圧が高くなると耳の器官に影響します。
そこで食事の面で最も気をつけたいのは、 塩分をとりすぎないことです。
塩分が多いと血圧が高くなり、血流障害の原因となります。めまい、耳鳴り、難聴の原因が耳の器官にある場合、とくに内耳神経周辺の血管を健康な状態に保っておく必要があります。
また、血圧が高い状態が続くと、動脈硬化を招く恐れもあり、脳への障害も懸念されます。脳の血管に動脈硬化が進むと、めまいの原因となるばかりでなく、脳梗塞や脳出血など命に関わる病気の心配も出てきます。
日本人は、世界の中でも塩分摂取量の多い国民といわれています。めまいを治す機会に食事の塩分量を見直してはいかがでしょうか。
塩分を減らすにはスパイスとお酢がお薦め
食事の際の塩分量は、多分に「馴れ」 が影響します。
普段、薄味の味噌汁を飲んでいる人 が、塩分の多い味噌汁を口にすると、 「しょっぱい!」と感じますが、それが日常の人にとつては「ちょうどいい」 と感じます。
家族の協力を得て、徐々に薄味にしていくといいでしょう。1日の塩分は10グラムが適量です。 高血圧と診断された人に関しては、厚生労働省は6グラムと指導していますが、一気にそこまで減らすのは難しいので、まず8グラム以下を目指してください。
ふだん、自分がどれくらいの塩分を摂取しているか、試しに測ってみましょう。きっとその多さに驚くはずです。
比較的簡単に塩分を減らすには、料理の味付けをスパイスやお酢中心にすると塩分が力ットできます。外食の際も、カロリーとともに塩分量を気にして注文するようにしましょう。
めまいを治す食品
めまいの症状を和らげる効果がある栄養素は、ビタミンB2、 ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、たんぱく質などです。
また、食物繊維を多く含む野菜やきのこ、海藻類も積極的にとってほしい食材です。
さらにマグロやサンマなどに含まれるEPAやDHAも血流をよくすることで知られています。肉をよく食べる人でめまいを治すことを考えている方は、特に食生活を見直しましょう。
めまいに効果がある食品をいくつかご紹介していきたいと思います。
めまいに効果のある酢タマネギ
めまいを治したいときにまず、試してほしいのが「酢タマネギ」です。タマネギは血液中のコレステロールの増加を防ぎ、血液をサラサラな状態に保つ働きをします。もちろん、血圧降下にも有効です。
一方の酢にも血液浄化の働きがあるため、この2つの食材の組み合わせは、 強カコンビといえます。
作り方は簡単です。5ミリ幅にスライスした2個のタマネギを広口瓶に入れ、500ミリリットルの酢に漬けておくだけです。冷蔵庫にー週間ほど置いておけば完成です。
これを食事と一緒に毎日50グラムずつ食べてください。小皿に酢タマネギを取り、削り節と少量のしょうゆをかければ、よりおいしくいただけます。 早ければ、1〜2ヵ月で効果が出てくるはずです。
酢夕マネギの作り方
準備する物
- タマネギ 中3個
- 酢 約500ml
- 広口のガラス瓶(インスタン卜コーヒーの空き瓶など、 ふたができるもの)
作り方
- 夕マネギは外皮をむき、厚さ5mm程度に輪切り。繊維を断ち切ることで、甘みを引き出すことができる。
- ①を広げて30分ほど空気にさらす。 空気にさらすことで水分を飛ばし、辛みを抑えることもできる。
- ②を広口のガラス瓶に入れ、夕マネギがしっかりかぶるくらいに酢を満たす。ふたをして冷蔵庫で4 日〜1週間程度漬け込めばできあがり。 酢漬けなので冷蔵庫で長期保存が可能だが、夏場は力ビが出やすくなるので要注意。また、食べるときに加熱したり、 水にさらしたりすると効果が半減するので注意。
黒豆の煮汁
めまいを治すための血流改善にはイソフラボンが有効です。
イソフラボンが豊富に含まれているのが、「黒豆の煮汁」です。 黒豆には黒豆イソフラボンというイソフラボンの一種が含まれており、耳などの末梢神経の血流改善に効果があるとされています。
作り方
まず、黒豆50グラ厶を800ミリリットルの水に一晩漬け、翌日、火にかけます。そのまま煮汁が黒くなるまで沸騰させれば完成です。
ざるで,こした煮汁を冷蔵庫に保存し、1日50ミリリットルずつ飲んでください。
黒ゴマ
黒ゴマは、脳神経の一部や耳の器官の働きをよくする効果があるといわれています。これは漢方の考え方に由来しており、中国では1500年前から処方されていたようです。
黒ゴマ焼酎で有効成分を抽出しましょう。
黒ゴマ酒は、フライパンで炒った 100グラムの黒ゴマを焼酎1リットルに漬けて作ります。アルコールに潰けることで、黒ゴマの有効成分を効果的に抽出することができます。
黒ゴマ酒は上澄みをすくい、さかずき1~2杯分をぬるま湯で薄めて飲んでください。1日2回飲むことで、効果が上がります。
漢方でめまいを治す
めまいや耳鳴りの症状には、漢方が効く場合もあります。
漢方の考え方からみると、耳鳴りや難聴は体内の水分の滞り、つまり「水毒」「水滞」が原因とされます。これを改善するには、利水剤と呼ばれる漢方が有効です。
また、水分が滞った状態では血流にも障害がある場合が多いため、それに適した漢方も処方されます。
漢方でめまいを治すことを考える場合、必ず専門知識のある治療院で処方を相談してください。
めまいを治したいときに注意すべき習慣
アルコール
アルコールは、血行を良くし、体を温め、ストレス解消、気持ちをリラックスさせる効果があります。
こうしてみると、適量のお酒は耳に原因があるめまいや耳鳴りにはプラスの効果がありそうです。
しかし、量が多すぎると、平衡感覚を司る三半規管や、脳幹、小脳の機能を低下させる恐れがあります。
一般的に適量とは、ビール中瓶1本、 日本酒1合、ワインならグラス2杯程度とされています。この範囲でたしなみましょう。
たばこ
ニコチン、一酸化炭素は 悪玉中の悪玉です。
たばこには200種類以上の有害物質が含まれているといわれ、なかでもニコチンと一酸化炭素は、めまいを誘発する極めて危険な物質です。
さらにニコチンは血管を収縮させるため血流を阻害し、一酸化炭素は血中の酸素を奪う性質があります。脳や内耳の血流障害、酸素不足がめまいの直接の原因になってしまいます。
たばこには発がん物質も含まれていますので、禁煙がベストです。
カフェイン飲料
カフェインについてはいい場合と悪い場合があります。
コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶などに含まれるカフェインは、血管を収縮させる作用があります。
ただ、脳に原因があるめまいには、少量のカフェインがプラスの効果があることがわかっています。
しかし、耳に問題がある場合は逆にめまいを引き起こす原因となる場合があります。
原因不明の症状が出る場合は、一時的にコーヒーや紅茶をやめてみるのもいいでしょう。