メニエール病治療の目的はめまい発作の頻度を減らし、難聴への進行をくい止めることです。
メニエール病の急性期には比較的暗い静かな部屋で横になり、閉眼して安静を保ちます。長引く場合にはリンパ水腫の縮小をねらってステロイド薬・利尿薬などが投与されます。
目次
メニエール病・めまいの治療薬
急性期が過ぎ、めまいの症状が改善してきたら(活動期も含む)循環改善薬や、体内で代謝されずに血漿浸透圧を高める浸透圧利尿薬のイソソルビドが使われます。
脳・末梢循環改善薬は脳血流増加にともなう内耳血流増加作用があります。
耳鳴り・難聴をともなう場合。ビタミンB12、ATPの併用が有効です。
めまいにともなう悪心・嘔吐は、前庭系刺激が脳幹の嘔吐中枢にあるヒスタミン受容体を介して伝達され、症状を発現するといわれます。
抗ヒスタミン作用をもつジフェンヒドラミン配合剤(トラベルミンは嘔吐中枢の興奮を抑制して制吐作用を示します。また。脳幹部にあるCTZのD2受容体を遮断するメトクロブラミド(プリンペラン)なども用いられます。
めまいに対する不安には抗不安薬ジアゼパム(セルシンe)などが用いられます
めまいに使われる内耳循環改善薬一覧
(メイロン)
炭酸水素Na(メイロン)は内耳循環改善作用があります。
ベタヒスチン(メリスロン)
ベタヒスチン(メリスロン)は血管拡張による内耳血流増加作用、内リンパ水腫減少作用があります。
ジフェニドール(セファド一ル)
ジフェニドール(セファド一ル)は攣縮した血管を弛緩し、内耳循環を改善します。また、異常刺激を抑制します。さらに、延髄の嘔吐中枢を抑制し、悪心、嘔吐にも有効とされています。抗コリン作用があるので副作用に注意します。
ATP(アデホス)
ATP(アデホス)は細胞組織のエネルギー源であり、細胞のはたらきを改善します。さらに、血管拡張作用により各種臓器の血流を増加させ、内耳機能障害を改善します。
イプジラスト(ケタス)
イプジラスト(ケタス)はプロスタサイクリンの作用の増強ならびにホスホジェステラーゼ阻害により血小板凝集を抑制したり、脳の血流を増加させたりします。
イソプレナリン(イソメニ—ル)
イソプレナリン(イソメニ—ル)は、受容体刺激による末梢血管拡張作用と心拍出量増加作用により、内耳の循環血流量を増加させたり、内リンパ圧を下げたりして、めまいや吐気を抑えるといわれます。
めまいに使われる利尿薬一覧
アセタソラミド・イソソルビド・フロセミド・ラシックス
アセタソラミド・イソソルビド・フロセミド・ラシックスは内耳に過剰に蓄積した内リンパ液を減少させます。
アセタソラミド(ダイアモックス)
アセタソラミド(ダイアモックス)は内耳の局所的リンパ分泌抑制作用、利尿による内耳水腫の除去作用があります。ただし、胃・尿路結石のリスクを上げます。アセタソラミドは炭酸脱水酵素阻害薬です。
イソソルビド(イソパイド)
イソソルビド(イソパイド)は体内では代謝されず、血漿浸透圧を高めて水分を引き込み、尿中に排泄されることで、利尿作用を発揮します。結果として、内耳リンパ圧を下降させ、耳閉感や低音性の難聴に特に有効とされています。酸味・苦味・甘味があり、必要に応じて水で2倍程度に希釈し服用します。
メニレットゼリー
メニレットゼリーはイソソルビドをゼリー化することでロに広がらず、さらにチョコレート風味により苦味がマスキングされています。
めまいに使われる抗ヒスタミン薬
ジメンヒドリナ一ト(ドラマミン)
ジメンヒドリナ一ト(ドラマミン)は内耳迷路の興奮を抑制し、動揺感を鎮めたり、嘔吐中枢に作用し、悪心・嘔吐を鎮めたりします。